めまい、ふらつきから解放されて趣味も楽しめるようになりました!
私、寺原は自らの潰瘍性大腸炎を克服し、イライラする感情のコントロールもできるようになりました。また、やる気が出て活動量が増えました。さらに、妻のイライラやこだわりもなくなりました。これは、以下の記事でご紹介しています。
実践栄養学を学び、生活に取り入れただけで私たち夫婦は大きく変わりました。そんな経験をした私ですから、今ではお客様のご相談もいただけるようになっています。
そんな私がはじめていただいた相談でも、ともに働くスタッフが驚くような変化がお客様に起きましたのでご紹介します。
A子さん(55歳)が初めて薬局に来られた時はとても印象的でした。
ふらふらして、あちこちに掴まりながらなんとか調剤薬局までたどり着かれていました。その時、体調不良のサインが体中から出ていました。
・とにかく顔が青い。血色が悪い
・唇が青い
・表情が険しい
・やせ細っている
・まぶたが重い感じ
・目の下のクマがある
今にも倒れそうで救急車を読んだほうが良いのではないか?そう感じるほどでした。処方せんではめまいの薬が出ていましたが、その薬をお渡しする際に声も出ない様子でお金を支払われてそのまま帰られました。こんな様子でしたから、私だけでなく他のスタッフもAさんのことは鮮明に記憶しています。
もっと強い薬をください!
A子さんはめまいが良くならず病院に通い続けました。その都度、めまいの薬が出ますが、少し回復するくらいでした。そして、来なくなったと思ったら、また点滴通い。その繰り返しでした。
そんなことを繰り返している時、私に睡眠薬の事で訴えてこられました。それは、
「もっと、強い薬をください!全然眠れないんです。おかしくなりそうです。」
追い詰められた表情で訴えてきました。それに対して私は、
「(医師の)先生の判断になりますので睡眠薬を変えることはできません。が、他に方法はご提案できます。試されてみませんか?」
そうお伝えして、実践栄養学の事をお伝えしました。しかし、A子さんはこの取り組みに対して拒絶され、そのまま帰りました。
後々分かったことですが、
「そんな事では治らない!」
「複数の先生に診てもらってやっと原因が分かったのに、薬剤師が治せるわけがない!」
こう思われていたようです。私も、お伝えの仕方が悪く反省いたしました。
どうにかしたい!
再度、薬局に来られた時にA子さんから、
「やっぱりどうにかしたい!良くなる可能性があるなら試してみたい!」と切羽詰まった感じで申し出を頂きました。
私は、わかりました!とお返事して、まずは体調の聞き取りとチェックシートに記入していただきました。すると、出てくる出てくる!まさに「不調の総合デパート」でした。
3年前:生理前症候群でピルを飲んでいた。睡眠導入剤と精神安定剤も同時に服用
1年前:寒気、倦怠感、下半身の冷えがひどくなる
半年前:倦怠感からやる気が出ない、不眠がひどくなる
2~3カ月前:めまい症状がひどい、休みの時は何もできない、やる気がない、ひどくて歩けない。
1か月~2週間:調子が良いこともあったが、口の乾燥、寝返りをしていないようで腰の痛み
最近:さらに眠れなくなり、耳の後ろにズーンとした感じ。頭もモワーっとする。
胃の不快感で胃薬服用、体温感覚がおかしい、寝汗がひどい、胃の不調から食事の量が激減。
正直、書ききれません。とにかく、めまいがひどくて立ち上がれない、仕事を休みがち、生活がうまくできない。
これらをできれば早く解決したいようでした。複数の病院をかかったけど、そのほとんどで精神科をすすめられて何とか行かずに自分なりに努力はされていたようです。
A子さんの悩みや体調不良が思ったよりも深刻でした。私は潰瘍性大腸炎を克服した経験(潰瘍性大腸炎と数年間戦っていた薬剤師の私は、実践栄養学で救われました!)はありましたが、患者さんを治した経験は皆無でしたので、鈴木先生ご相談させていただきながらアドバイスをさせて頂く方向に切り替えました。
私は、ホルモンが足りないことがすべての原因です!
A子さんと話をしていると、しきりに「ホルモンが足りない」「ホルモンバランスが悪い」などのホルモンの事しか言われませんでした。無理もありません。生理前症候群と診断されて、主治医の先生からもホルモンが原因!と言われて、一般の方でしたらそう思っても仕方のない事だなと思いました。
それと同時に私もやっていた「記号」で考えるということに他ならないと思いました。
(「記号」に関してはこちら → 潰瘍性大腸炎と数年間戦っていた薬剤師の私は、実践栄養学で救われました!)
そして、その呪縛からとかれる為にA子さんに次のお話をしました。
盲人(もうじん)と象
この話は、鈴木先生から教えて頂いた話です。
私自身も考え方を変えて頂いたので、A子さんにもお話しました。
「盲人(もうじん)と象」
ある王様がいました。目が見えない盲人たちに象を教えたいと考えて、象を触らせた。王様は盲人たちに「象というものが分かったか?」と尋ねると、足を触った一人は「王様、象とは立派な柱のようなものです。」と答えた。別の盲人は尾を触ったので、「箒(ほうき)のようです」と答えた。そして、腹を触った者は「太鼓のようです。」わき腹を触った者は「壁のようです。」耳を触った者は「団扇のようです。」頭を触った者は「大きな石のようです。」牙を触った者は「大根のようなものです。」鼻を触った者は「太い鋼のようなものです。」と口々に答えた。
盲人たちは象について、各々感じたことをが正しいと言い争い、相手の見方は間違っていると言い出して収集がつかなくなった。すると、王様は、「理解の幅が狭い!」と盲人たちを一喝しました。
この話をしても、A子さんはポカーンとされていらっしゃいました。
ホルモンが足りないという呪縛
その後、A子さんに説明をさせて頂きました。
「ホルモンだけが原因と考えるのは1人の盲人の意見だと私は考えてます。そうなると、象の正体はわかりません。それは、同じように、A子さんの体全体もわからなくなってしまいます。」
・ホルモンだけが原因 = 1人の盲人の意見
・A子さんの体全体 = 象の全体像
このように、説明いたしまして「ホルモンが原因!」という呪縛から解放されていただき、体全体をみていきましょう!とお伝えしました。
後々、A子さんからお話を聞けましたが、最初は理解できなかったが調子が良くなって徐々にわかるようになった!と教えていただきました。
管理職のストレスが引き金
A子さんは、50歳を過ぎたあたりから職場で管理職を任されるようになったそうです。周囲は年の離れた男性ばかりで、周囲の目が気になっていたようです。しかし、管理職の立場から言わないといけない!とプレッシャーを感じて、誰にも相談できずに悩んでいたようです。約5年間悩み続けて、徐々に体の調子が悪くなっていったようです。
私に話せて少し楽になったのか、私に色々話してくれるようになりました。そして、実践栄養学の事も興味を持っていただけるようになりました。
いよいよ実践栄養学の実践を開始
そして、いよいよA子さんに実践していただきました。
10日後、電話がありました!
兆候はすぐにあらわれました。それは、
・少しめまいの症状が和らいでいる。症状がでても軽い
・頭の重たい感じがなくなっている。
という報告でした。いい感じです。
さらに、10日後
「倦怠感が取れました!」と電話口で話していただきました。ご主人にもご協力いただいて寝返りができるようになり、夜中に目覚める回数が減ってきたとお話しいただきました。
私がこの時、電話で感じたのが声がよくでるようになっていたことです。
めまいがひどくて歩けないことはなくなり、生活の質が高まっているようです。
さらに、10日後
実践栄養学を始めてから30日後に薬局に来ていただく約束でした。A子さんの表情を直接確認したく、薬局に実際に来て頂きました。順調に体調は回復されており、
・眠れるようになった。
・めまいの症状が良くなっている。
・寝汗をかくことが減っている。
・休日寝込むことがなくなった。
などなど良くなった報告は聞く一方で、胃の不快感、耳の違和感、冷え性はいまだ改善されていませんでした。
それは、以前から変わらない顔の険しい表情から明かでした。そこで、私は1つ次回来られるまでお願いをしました。
笑うから楽しい
「楽しいから笑うのか?」
「笑うから楽しいのか?」
「笑う門には福来る」とは昔からいったもので、「笑うから楽しくなる」ということは事実です。調子が悪い時は体緊張していて、顔にも険しくなります。A子さんは特に顕著に出ていたのでお願いを1つしました。それは、
「次、薬局に来られるときは笑顔で入ってきてください。」
このようにお願いして、次回1か月後に来られることをお約束いただきました。
それから1か月後
「こんにちは。」
笑顔で薬局に入ってきてくださったのはA子さんでした。今まで、笑うことすらなかったA子さんが笑って薬局に入ってきたので
「信じられない!」「最初の頃からするととんでもなく表情が明るいし、肌の色も良くなっている!」
スタッフ全員が驚きを隠せない様子でした。日常からよく笑うようにしていたら、自然に笑顔が出るようになったそうです。
そして、笑顔になったA子さんにお話しを聞いたら驚くべきことが分かりました。
それは、今まで体調不良でできなかった趣味「マラソン」と「山登り」ができるようになったそうです。少しずつ、ゆっくり走れるようになって冬にはハーフマラソンにエントリーされるほど回復されたようです。
さらに体調面は、
・安定剤を飲まなくなりました。
・よく眠れるようになりました。
・めまい、ふらつきが全くなくなりました。
・胃の不快感がなくなり、食事がのどを通るようになった。
自分では信じられないくらい体が軽くなり、仕事でも気負わずに笑顔で前向きにできるようになったそうです。
あれだけ欲しがっていた睡眠剤も今では半分以下にして、たまにしか服用されていないようです。
自分だけでなく、患者さんが良くなる喜び
A子さんは今でも薬局に顔を出していただけます。季節の変化で少し体調を崩すことがあっても、ひどくなることはなくなりました。最近はご夫婦で山に登られたそうです。ハーフマラソンは残念ながら仕事の都合で出場できなかったようですが、フルマラソンにでる!と意気込んでいらっしゃいます。
潰瘍性大腸炎から奇跡的に復活した私が初めて患者さんを笑顔に、そして健康にすることができました。
もうだめかもしれない・・・
A子さんみたいに体調不良で悩まれている方はたくさんいらっしゃいます。はじめての相談で、そんな方を笑顔にできたことであらためて実践栄養学の重要性が理解できました。
これからもこの取り組みを続けて行きたい。ひとりでも多くの方にご紹介できるよう、啓蒙活動に努めてまいります。